マスダールプロジェクトの続報が報道された
世界同時バブル崩壊が進展する中、石油バブルも少し遅れて崩壊しました。産油国は海外投資で大損する一方、石油収入に依存した自国の運営が厳しくなっているのが現状です。
UAEでは、ドバイが1000mのドバイタワーの建設を1年遅らせるなど、苦しい事情が日本にも伝わっています。UAEでは、石油がまだあるうちに代替エネルギーを開発して国づくりをしようという趣旨で、「マスダールプロジェクト」を実施しています。
環境関連のニュースをみていると、そのマスダールプロジェクトに日本企業も参加しています。原子力関連企業も参加していますが、代替エネルギーの実証実験を行うには、ちょうどよい規模です。
“アブダビ特需”進出相次ぐ 東電などエネルギー企業
1月20日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ東京電力など国内エネルギー企業がアラブ首長国連邦(UAE)の首都、アブダビ首長国で電力関連事業に相次ぎ参画している。2015年までに大規模な都市開発計画が進むアブダビでは、建設機械産業向けなどに大幅な電力需要の増加が予想されており、大きなビジネスチャンスと判断したためだ。
米国発の金融危機に伴う世界同時不況で、海外の有望な投資先が狭まるなか、今後、都市開発の特需に沸くと予想されるアブダビに幅広い分野の日系企業が積極的に進出する可能性も大きい。
アブダビは将来の石油資源の枯渇を見越して、太陽光発電など二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーで電力を賄う「マスダールシティ」と呼ばれる都市開発計画を進めている。総開発費は220億ドル(約2兆円)で15年に完成する予定だ。
アブダビでは、同計画の進展に伴って電力需要の急激な伸びが見込まれ、現地電力大手のアブダビ水送電会社の試算によれば、最大電力は08年の583万キロワットから、12年には1170万キロワットに倍増すると予想している。
東電は昨年9月、アブダビの送電会社と電力の送電に関する技術コンサルティング契約を締結した。大規模な送電線網の整備を予定する中、アブダビから東電側に技術協力を要請されたためだ。契約料は約1億5000万円と、同社が海外で実施するコンサルティング案件としては過去最大級。東電は将来を見越した供給計画の立案のほか、送電線のルート調査などに今年9月まで共同参画し、今後は発電所運営や省エネのためのコンサルティングも検討するという。
コスモ石油は、東工大、アブダビの政府系機関と共同で、10年からアブダビで集光太陽熱発電の実証実験に乗り出す。今年11月をめどに「マスダール」の敷地内に実証プラントを設置する予定だ。集光太陽熱発電は太陽光を集めて発生させた熱を利用して発電する仕組みで、すでに米国やスペインで商用化されている。一般的な太陽光発電と比べて初期投資コストが高額なのが難点だが、昼間に蓄積した熱を夜間に使用でき、蓄電池が必要になる太陽光発電より利便性が高いといわれる。コスモ石油は来年4月まで蓄積する実証実験データを踏まえて早期の商用化を目指すという。
一方、日本ガイシは大容量の電力を貯蔵し、瞬時に供給できる「電力貯蔵用ナトリウム硫黄電池」(NAS電池)を、アブダビ水利電力庁から50メガワット分受注した。受注額は100億円超。まずアブダビの中心部であるアブダビ島の複数の変電所に納入。さらに大規模太陽光発電への活用も検討するなど、日系エネルギー関連企業のアブダビでの取り組みが今後も加速しそうだ。(アブダビ 今井裕治)
砂漠の国でやる位なら、日本でやればいいのに。
日本には人もカネも技術もあるというのに。。しかも、日本に波及する実態経済の悪化で、大規模プロジェクトをやろうとしても、どんどん企業が倒産していくため、時の経過と共に、日本の持つ強みがどんどん消失していきくので、実にもったいない。
今年の3月末の決算を乗り越えられない優良な技術を持つ会社がどんどん消えていくのを止めることができないのだろうか? 今、日本に必要なのは、政治のリーダーシップによる『21世紀の日本を産み出す決断力』なのですが、みなさま御承知のとおり、迷走を続けています。先行きは明るくありません。
2009/01/21 橘みゆき 拝
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コメント
日本版マスダール・モデル・シティを速やかに造るべきだ。CO2排出量0%のマスダール・シティは2015年に完成する。2兆円で4万人が暮らせるので、全額を負担すれば4人家族で2億円の移住費になる。大規模太陽光集光発電器は日本製だ。日本製の植物工場も併設すれば、マスダールより完璧なものになる。環境産業に意欲的な政治家に意見を上げよう。
投稿: 地下水 | 2010年8月29日 (日) 22:36