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2008年11月17日 (月)

中央銀行システムの次に来るもの

本コラムは、11月16日『ドル崩壊後は、新ドルor新しい国際通貨』の続きです。『限界を迎えた中央銀行システム』、『中央銀行システムの次に来るもの』について、述べます。

 

『限界を迎えた中央銀行システム』

 青森県に住むAさんが、滋賀県に住むBさんに送金した場合、下図の動きとなる。直接AさんからBさんにお金を手渡すことが望ましいのですが、距離が離れている。銀行も異なる。そういう要因で、多くの段階を経て、送金が行われます。
モノを宅配便で送ろうとした場合でも、Aさん⇒近くのコンビニ⇒近所の集配所⇒青森県の集配センター⇒滋賀県の集配センター⇒集配所⇒Bさん というステップを踏みます。

AさんからBさんに送金

 

日本の場合、あまり多くはありませんが、送金ミスや、荷物がどこかに消えたという事例は、海外送金した場合や、海外から個人輸入した場合、Fede●とか、UP●などで時々みられます。

高度情報化社会が進んだ結果、カネは、現金という形もありますが、少なくとも銀行の窓口やATMの向こう側では、デジタルデータとなって、世界中を行き交っています。カネは単なる数値であって、それ以外の何ものでもありません。問題は、そのデジタルデータをどう使うかです。

カネが数値データという以外、何も意味を持たない場合、現在のピラミッド組織型の銀行組織でカネを集め、上位に送る。本社は全銀システムなどの銀行間をまたいだシステムにより、データの受け渡しを行う。それだけで済みました。2008年現在、金融システムはある意味、いきつくところまでいきつきました。

 

マネー史上主義の落し穴

マネー至上主義の落し穴は、マネーを持っていない人は何も買えないという点につきます。絵を描いたり、小説を書いて本を出したり、ネットを使って農作物を売ったりするには、完成物を作るための材料を購入するマネーが必要です。貧乏人にはそれを買うお金もない。そうなると、クリエイターは友人に借金をするか、自分の作品を担保にするかしてお金を工面するしかありません。さらに、作っても売れなければ元も子もパーです。これは基軸通貨がドルだろうが、新しい国際通貨になろうが同じです。

図5では、AさんがBさんに送金していますが、直接伸びている矢印に×がついています。これは手渡しできないという意味です。インターネットの進展で、誰もがネットにつながるようになりました。そうするとネットの中の知合い同士で通用する『地域通貨』があると、便利だと思う人が増えてきました。
仲間内で物々交換するのにマネーは必要でしょうか? AさんとBさんがネット内でしか通用しない『地域通貨』(オンラインゲーム内の通貨でもOK)を介して、もののやりとりをしても当事者同士でOKならば、現実世界のマネーは不要となります。
こういった動きを加速させるのは何か? それは高い消費税が導入されたり、金融取引での規制が強化されたりという、昨今の動きです。

表の経済の締め付けがきつくなると、旧ソ連のように地下経済や戦後直後の闇市みたいなものが発達してきます。21世紀の地下経済は、ネットの中にも広がってくることでしょう。
表の経済でしか存在できない現在の中央銀行システムでは、把握できない地下経済が広がっていくと、経済のコントロールが困難になっていきます。

 

相手が見える仕組みが広がってきた

 20世紀は、カネはカネ。白いカネも黒いカネもカネであり、同じ価値を持っていました。1万円稼ぐにしても、苦労して稼いだ1万円札と、楽して稼いだ1万円札、犯罪によって得た1万円札、全部同じ1万円札なのです。
モノも似たようなものです。誰が作ってもモノはモノ。本当はそうではないのだろうけど、工場で大量生産されたモノは、同じ価格で売られ、同じ品質を保っていました。

21世紀になると、カネにしても出自が問われたり、おなじ1万円でも重みが異なったりしますし、モノにしても、あの人がつくったモノ(とくに農作物にその傾向が強い)というこだわりがでてきました。さらに、あの人のお薦めする商品はいいものだというふうに、御用達とかおもてなしなどの要素が強くなってきました。

20世紀型のとにかく顔が見えない仕組みが行き着いた先は、顔が見える仕組みへの回帰でした。安かろう悪かろう。高くても品質がボロボロ、産地偽装や偽装建築、はたまた毒入りギョーザ&コメ&粉ミルクなど、安全だと思っていたものが安全でなくなってきたため、知っている人が作ったものを分けてもらうという風に変わって来ました。

できるだけ安く、できるだけ早く、というものを追求すると、どうしても品質が犠牲になってしまいます。「安い」「早い」「高品質」をクリアすることは不可能とは言いませんが、どこかに無理が来ます。多くの場合、品質が犠牲になります。

品質の良いものは、多く作ることができません。そのため、以前からお付き合いのある人にだけ売られてきました。価格よりも品質を重視する人達によるネットワークが作られていて、身内だけでやりとりしているため、あまり表にはでてきません。京都の料亭みたいに一見さんお断りの世界に似ています。
品質の良いものを得ようとしたら、そういったネットワークに入っていないと、なかなか手に入れられないという時代になりそうです。オークションとか闇市なんかでとんでもない割高な価格を提示すれば買えるかもしれませんが。

マネーにもモノにも、付随する情報があって、その情報の優劣で価値が全く代わってしまう。。そんな世の中になりつつあるのです。

 

伝言ゲームは人数が多いと意味が全く変わってしまう

子供の頃、何人かで列になって、伝言ゲームをやったことがあるとは思います。5人くらいなら情報は変化しても、元の意味がある程度残っていますが、10人以上になると全く違った情報になってしまって、大笑いしたという経験をみなさん持っていると思います。
情報は、段階を経るにしたがって、劣化していくということです。それには直接やりとりするとか、できるだけ生産者と消費者の距離が短い方が望ましいことになります。
情報化の進展で、ある人が作ったモノを、欲しい人と結ぶことは、インターネットを使うことで容易になりました。あとは必要なものは、安全に決済できる仕組みと、安全にモノを届ける物流システムです。幸いなことに日本は両方とも発達しています。

 

生産者(クリエイター)と購入者を結ぶもの

さきほど、『地域通貨』を利用すると、現実世界のマネーは不要となりますと言いましたが、どのようなものを想像したらいいのか、わらかない人のために、同人誌即売会でイラストや同人誌を売っているサークル(生産者)と、それを買う人(購入者)との関係を示すのが良いかと思います。

地域通貨が巡回する

 

同人誌即売会の中に、両替所があります。一般参加者は 500円、サークル参加者(出展者)は 5,000円払うと、入場できます。地域通貨の単位は、連山が提唱しているサイバーキャッシュ(CC)にしましょう。

同人誌サークルは、イラストを描いたり、同人誌の小説や漫画を書いて、同人誌即売会で販売します。これでサイバーキャッシュを手にします。ネットに公開すれば印刷する必要はありませんが、100部とか200部印刷します。印刷代金は、印刷業者にサイバーキャッシュで支払います。参加者はサイバーキャッシュで同人誌を購入します。
参加者はどうやってサイバーキャッシュを手に入れるのか? それは、参加者も別のサークルで同人誌を売っているのです。(笑
同人誌即売会の世界では、生産者と購入者は同じ人という場合が多く、印刷業者を含め、関係者の中で、ぐるぐる回る循環経済と廻しているのです。 私つくる人、あなた食べる人という関係ではないのです。 誰もがサイバーキャッシュを産み出すクリエイター(生産者)であり、誰もがサーバーキャッシュを使って、モノやサービスを手に入れることができます。
ネットでの通信販売の場合は、ネットに掲載してもらうダウンロードサイトを運営している業者が両替所を兼ねます。
現実世界で働いたお金を投入している部分を両替所で、リアルマネーと地域通貨(この場合はサイバーキャッシュ)と交換すれば、ポジティブ・フィードバックで、どんどん拡大していきます。 こう書くと、イメージしやすいかな?

 

サイバーキャッシュは『地域通貨』とみなすと理解が簡単

『連山』では、サイバーキャッシュをドルに代わる基軸通貨として位置づけ、水素文明の転換を主張しているが、既存のドル、ユーロ、円などの中央銀行が発行するマネーと特徴が異なるため、なんだかよくわからない方がいると思いますが、おもいっきり単純化して、仲間うちで通用する『地域通貨』としてみなすと、近所の商店街で発行している『地域通貨』(割引券)の役割と似ていることが見えてくる。

地域通貨は、法律上、その地域しか使えないとか、現金化できないとか、いろいろ制約があるが、それは「人が決めた法律があるから」で、法律そのものを変えてしまえばよいのです。
江戸時代なんかは藩札が数百種類あったし、明治時代前半だって、民間銀行が通貨を発行していた。それで動いていたのだから、「円」以外にも使えるマネーが出てきても、何も問題は生じない。・・・両替所の交換レートが信頼できるという前提が必要ではあるが。
アルゼンチンだって、国家破たんしたときは、地域通貨や州が発行した引換券が通貨のかわりに流通していた。他山の石です。
先の例では同人誌即売会という限定した社会を想定したが、これを日本全体に広げた場合、農家の人、漁師、職人、自家発電所で電気を作っている人、修理工、商店街の人達、多くの人達が日本円を稼いでいるのと同様、サイバーキャッシュを生み出しているといえます。そして、稼いだサイバーキャッシュで、自分が必要なものを購入すれば、ドルや円が紙屑になっても、日々の暮らしはできるだろう。

2008/11/17 橘みゆき 拝

【関連するHP】
 峯山政宏後援会のブログ:日本を変えるため、若者達よ立ち上がれ!
 峯山政宏後援会:時代を変革期にはリーダーが登場します。彼に続くのだ!
 想月:新たな時代のうねりを感じます
 あほうどりのうた:同じ現象でも多角的にみると異なるものがみえてきます。

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