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2008年10月 1日 (水)

ドル短期金融市場が機能不全状態

ECBの米ドル資金入札で最低落札金利が11%に達した

 アメリカやイギリスで銀行が相次いで経営破たんする中で、マネーの出し手が相手を信用できないため、インターバンク(銀行間の取引)がマヒ状態となっています。危ない金融機関はドル資金を市場から調達できないため、各国の中央銀行が供給するマネーに殺到しているため、短期金利が急上昇しています。
 これは、9月末の資金繰りをつけるため、なりふりかまっていられないという事情が見え隠れします。9月30日に欧州中央銀行(ECB)が実施したドル資金入札の最低落札金利が11%に達したとのことです。1997年11月、三洋証券が破たんした際、10万ドル程度の債券がデフォルトしたため、その後、日本円の短期金利が急上昇し、北海道拓殖銀行や山一證券が資金繰りをつけることができなくなり、ドミノ倒しのように破たんを市場から宣告されました。歴史は繰り返される。そんな言葉を最近よく使うようになりました。

【フランクフルト30日時事】 世界的に信用不安が高まり、ドルの短期金融市場が機能不全に陥る中、欧州中央銀行(ECB)は30日、通常は1日1回の翌日物の米ドル資金入札を2回実施し、市中金融機関に合計607億4200万ドル(約6兆4000億円)を供給した。 午前に行われた1回目の入札で最低落札金利が11%と、前日の3%から急上昇。資金繰りのためのドル需要が強い一方で、根強い疑心暗鬼により銀行間取引がまひ。金融機関が中銀マネーに殺到したようだ。

 

日銀がドルの流動性を確保するのに大活躍

 9月30日未明、米下院が緊急経済金融安定化法案否決と前後して、日銀総裁が緊急会見を開き、白川日銀総裁は、「ドル短期金融市場の流動性が枯渇している」と指摘し、「金融システムが不安定化する事態を防ぐ」と語り、ドル資金供給の拡充することを決めました。このニュースは、朝のニュースで、繰り返し伝えられました。
 今の日本の姿、日銀の姿は、ニクソン・ショックが宣告される前、世界の外国為替市場が閉鎖する中、日本だけが市場を開けていて、円売りドル買いを大々的に行っていた時の姿とダブって見えます。
ニクソン・ショックにより、急激に円高ドル安となり、大損失を被りました。当時の日銀は輪転機をフル回転させた結果、市中に出回るマネーが急激に増加しました。これに石油ショックが重なって、急激なインフレとなりました。現在の通貨は、国が持つ信用や国民が払う税金を担保にしているだけで、信用がなくなればただの紙切れや金属になってしまいます。今のような金融システムを維持するために、マネーを刷って刷って刷りまくると、いずれ急激なインフレにつながっていきます。日銀はそういうことを百も承知で、何十兆円ものマネーを供給しています。日銀を始めとする世界各国の中央銀行が供給するマネーは、2週間前の10兆円、1週間前の25兆円、先月末の65兆円と、どんどん増えています。まるで苦しんでいる麻薬患者が欲しがるまま。麻薬をどんどん処方しているようなもので、いずれ金融システムという患者は体がボロボロとなって、病気を治す体力すら消耗してしまいます。

 日銀は29日、臨時の金融政策決定会合を開き、国内短期金融市場へのドル資金供給を大幅に拡充することを決めた。具体的には、米連邦準備制度理事会(FRB)と締結した通貨スワップ協定の上限枠を現行の600億ドル(約6兆3000億円)から1200億ドル(約12兆6000億円)に倍増。実際に市場に供給されるドル資金の残高は、最大で現在の500億ドル(約5兆2500億円)から900億ドル(約9兆4500億円)に増える見通しだ。協定期限も来年1月末から4月末に延長した。
 白川方明総裁は同日夜の緊急会見で、「ドル短期金融市場では、取引が極端に薄い状況で、流動性はほぼ枯渇したと判断している。市場の緊張はなおしばらく続く」と強い危機感を表明。その上で「流動性の不足が原因で、金融システムが不安定化する事態を防ぐ必要がある」と強調した。

 

 米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)など各国・地域の中央銀行との間で結んでいるドル資金の供給枠を6200億ドル(約65兆円)に倍増することで合意した。 日本銀行でも今月18日に決定した600億ドルの供給枠を1200億ドルに拡大するとともに、期間も2009年4月末まで延長する。 ドル資金の供給を拡大するのは、欧米金融機関の資金繰りがなお逼迫(ひっぱく)して、欧州でも金融大手の破綻(はたん)や公的資金による救済が相次いでいるためだ。米国の政府と議会が28日、公的資金での不良資産買い取りを柱とする金融安定化策について合意した後も、逼迫感は収まる気配がない。 世界の主要市場では金融機関同士が資金をやりとりする短期金融市場で、欧米金融機関を中心にドル資金を調達する際の金利が高止まりしている。

 

欧米は自分が不利になるとルール変更をする身勝手な連中です

いずれドル崩壊は避けられないとしても、アメリカという国は座して覇権国を手放すことはせず、悪あがき(戦争開戦)をしたり、ルール変更(逆ニクソン・ショックorブッシュ・ショック)を強要することが、予想されます。1929年の株価急落は10月でしたし、1987年のブラックマンデーも10月でした。10月は伝統的に株価が急落しやすい時期といえます。綱渡りの金融システムの綱がどんどん細くなっているのが現状です。最悪のケースを想定されたし。(もっとも、最悪のことを考えると、実現するというマーフィーの法則が発動されてしまうかもしれませんが。(笑

2008/10/01 橘みゆき 拝

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