2000年以降の大地震での原発被害
Wikipediaで「地震の年表」という項目があり、世界で起こった主な地震の記録が一覧で見ることができます。2008年7月24日に発生した命名されなかった岩手県北部を震源とするM6.8の地震も掲載されています。2000年以降の大地震で、震源地の近くに原発があったものは、以下のとおりです。今回の地震は原発からある程度離れていましたが、六ヶ所村があるので、念のため、対象としました。
1.2003年5月26日 宮城県沖で地震(東北地震、三陸南地震) - 本震は M 7.1、岩手県と宮城県で最大震度:6弱。太平洋プレート内の地震。 女川原発は特に被害はありませんでした。
2.2004年10月23日 新潟県中越地震(新潟県中越大震災) - 本震は M 6.8、新潟県中越地方で最大震度:7、死者67人。震度6弱以上の余震を4回観測。柏崎原発は特に被害はありませんでした。新潟県中越地震でのゆれが1995年の兵庫県南部地震(阪神大震災)よりも大きいところがありました。
3.2005年8月16日 2005年宮城県沖地震 - M 7.2、宮城県で最大震度:6弱。女川原発は特に被害はありませんでした。TVの地震速報で女川原発の自家発電装置(ディーゼルエンジン)が白い煙をもくもくと出している映像がありました(原子炉から漏れる放射能入りの水蒸気ではありません)。地震の揺れが設計用限界地震動を超えていたため、全国の原子力発電所で耐震強化のための工事を計画するきっかけとなりました。
4.2007年3月25日 能登半島地震 - 震源は石川県能登沖。M 6.9、最大震度:6強。北陸地方を中心に強い揺れ。死者1人。地震の1年前、2006年3月24日、金沢地裁は、志賀原発2号機の運転差し止め請求を認めました。周辺に大きな断層がない場合、真下で、マグニチュード6.5の地震が起きることを想定すれば足りるとした従来の国の指針を明確に否定しました。それから1年後の2007年3月15日、北陸電力は志賀原発1号機で1999年、停止中の原子炉が突然、臨界状態になる事故が起きた上、緊急停止装置が15分間作動しなかったにもかかわらず、国に報告せず隠ぺいしていたと発表しました。これで、志賀原発は運転中止することになったのですが、能登半島地震はそれから10日後のことでした。この時は、原発が止まっていて本当に運がよかったのだと思いました。
5.2007年7月16日 新潟県中越沖地震 - M 6.8、新潟県・長野県で最大震度:6強。死者11人。柏崎原発において、計測震度6.5・震度7を観測していたが、かろうじて全ての原発の冷却に成功。柏崎原発3号機の変圧器から火災が発生した。低レベル放射性廃棄物の入ったドラム缶400本が倒れた。3号機タービン建屋1階で2058ガル(想定834gal)、地下3階で581ガル(想定239gal)、3号機原子炉建屋基礎で384ガル(想定193gal)を観測したとの発表もなされた。震災から1年経過した現在でも、柏崎原発は運転再開の許可が柏崎市から得られていない。
6.2008年7月24日 岩手県沿岸北部の地震(命名されず) - M 6.8、岩手県九戸郡洋野町で最大震度 6強。深さ108km。死者0人。青森県六ヶ所村:震度4、青森県東通村:震度5強であったが、核処理施設および東通原発(1号機:定期点検中)に特に被害はありませんでした。
こうしてみると、幸運が続いているように見えます。原子力発電は危ないから止めた方が良いという自然からの警告なのでしょうか? 2度あることは3度あるとか、3度目の正直とか いろんなコトワザがありますが、そうそう幸運も続かないでしょう。
次はどこになることやら? 茨城県沖なら東海村、東海地震なら浜岡原発に注目しないといけないが、日本列島どこも安全な場所はないのが現状です。
橘みゆき 拝
| 固定リンク
「環境」カテゴリの記事
- 豪雨により千葉埼玉で停電(2010.09.14)
- 六ヶ所再処理工場の完成が2年延期(2010.09.11)
- 北日本は冷夏になる模様(2010.05.29)
- もんじゅ運転再開成功(2010.05.24)
- 震度6弱以上の地震の長期確率がアップ(2010.05.21)
「温暖化」カテゴリの記事
- 北日本は冷夏になる模様(2010.05.29)
- イランがアメリカから小麦を輸入(2008.08.25)
- 2000年以降の大地震での原発被害(2008.07.27)
- 平成19年の新年に当たり天皇陛下のご感想(2007.01.02)
- 原発を支える技術者の低下(2006.07.09)
「未来図」カテゴリの記事
- NHKスペシャル_都市機能がマヒする時(番組紹介)(2013.01.08)
- NHKスペシャル_空白の初期被ばく(番組紹介)(2013.01.07)
- 新しいインフラに対応するには新しい機器が必要(2012.01.01)
- 最悪シナリオの前提条件いまだ消えず(2011.12.25)
- 福島第一で地面から水蒸気が噴出しているらしい(2011.08.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント