« 地球シミュレータが予測した2100年の地球 | トップページ | 20世紀までの地球観 »

2006年3月17日 (金)

イースタ島の歴史

森林破壊で文明が滅んだ例として、イースター島の歴史を取り上げます。

南太平洋に浮かぶイースター島は「モアイ像」で有名です。
かつて、高度な文明が栄えていた痕跡といえます。
そのおかげで世界遺産に指定されたり、観光客が大勢訪れています。

花粉学に基づく研究により、かつてイースター島にはヤシの木などの
樹木におおわれた緑豊かな島であったことが明らかになりました。
現在のイースター島は森がありません。せいぜい草原程度です。

イースター島の歴史は、5世紀頃、イースター島に人類が上陸した
時から始まります。
人口が少ないうちは、食料が豊富にあり、森も豊かでした。
13世紀になると、人口は7000人に達して、人々はモアイ像を
作り始めました。食料を確保するためと、巨大なモアイ像を運ぶ
ため、大量の木が伐採され、森林破壊が進みました。
1400年頃にはヤシが絶滅し、他の樹木も減っていきました。
1600年には島に森はほとんどなくなりました。
(世界でも珍しい、完全な森林破壊の状態となる)
木の家が作れないため、人々は洞窟に住むようになりました。
漁に出るための船も作れません。
そうなると食料や木を奪い合うようになり人口が急減しました。
(1608年の大戦争など)
環境が劣悪になったのに、船を作る木がないため、島から脱出でき
ませんでした。イースター島にはモアイ像だけが残りました。
キャプテン・クックによって、イースター島が発見されたのは1722年
のことでした。

滅んだ文明の教訓は、おおむね増大した人口を支えるために森を
破壊したため、乾燥化や砂漠化が進み、文明もろとも滅びたという
ケースがとても多いです。四大文明(エジプト、メソポタミア、インダス、
黄河)すべて砂漠の中にあるのは単なる偶然ではありません。
文明が滅んだ原因を調べると、環境問題の重要性が明らかとなり
ます。栄華を極めた文明も、砂漠の中に埋もれ、人々の記憶から
消えていった。そういう繰り返しが人類の歴史と共にありました。

橘みゆき  2006/03/17

【参考文献】

書名:地球環境読本
 -人間と地球の未来を考えるための30のヒント-
著者:加藤尚武(かとうひさたけ)
発行所:丸善株式会社  http://pub.maruzen.co.jp/
ISBN4-621-04900-3 C0036 \1700E
定価:本体1,700円+税
初版2001/07/10

|

« 地球シミュレータが予測した2100年の地球 | トップページ | 20世紀までの地球観 »

「滅んだ文明」カテゴリの記事

「環境」カテゴリの記事

コメント

素晴らしい内容でした。「滅びた文明はすべて砂漠の中に」という説には悟りを感じました。人間の業の深さを実感しました。いずれ人間は地球から、こぼれ落ちるでしょう。

投稿: 時計 | 2010年3月 8日 (月) 16:07

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/66792/1052805

この記事へのトラックバック一覧です: イースタ島の歴史:

« 地球シミュレータが予測した2100年の地球 | トップページ | 20世紀までの地球観 »